孔子の論語 為政第二の八 子夏孝を問う。子曰わく色難し

 孔子の論語の翻訳24回目、為政第二の八でござる。

漢文
子夏問孝、子曰、色難、有事弟子服其勞、有酒食先生饌、曾是以爲孝乎。

書き下し文
子夏、孝を問う。子曰わく、色難(かた)し。事あれば、弟子(ていし)其の労に服し、酒食あれば先生に饌(せん)す。曾(すなわ)ち是れを以て孝となさんや。

英訳文
Zi Xia asked about filial piety and Confucius replied, “It is difficult to manage our facial expression. If you take on the burden of elders and serve foods and drinks to them before your meal, can we call you a dutiful person really?”

現代語訳
子夏が孔子に孝について問い、孔子はこう答えられました、
「顔の表情をどうするかが難しい。もしお前が年長者に代わって雑務を引き受け、酒食を自分より先に年長者に供したとして、それだけで本当に孝行者と言えるだろうか?」

Translated by へいはちろう

今回の文は例え他人のためになる事でも、嫌々やっていては意味が半減する、それを表情に出すなど持っての他、という事でござるかな。「情けは人の為ならず」と言うことわざがあるのでござるが、要するに良いことは「当たり前の事」としてせねばならず、見返りを求めたり、義務としてやっていてはダメだと言うわけでござるな。

為政第二の英訳をまとめて読みたい御仁は本サイトの孔子の論語 為政第二を英訳を見て下され。